
世界遺産のキャラクター

現在、日本には文化遺産、自然遺産合わせて世界遺産が17カ所あるそう。この小さい島国に17カ所もあるんだという驚きと、世界の遺産になりえる場所が多くあるんだなぁということを誇りに思う。そしてこのたび昨年の富士山に続いて、群馬県にある富岡製糸場がめでたく世界遺産に認定されるよう。
世界遺産を紹介する番組が大好きで良く観てたんですけど、世界遺産てやっぱ何か特別な“何か”がありますね。もちろん歴史というのは必然ですが、その歴史が育んできたさまざまなものが。
京都や奈良、姫路城と何カ所かの世界遺産は訪れたことがあるけれど、今でも印象深かったなと思うのは熊野古道。まだ世界遺産に登録される少し前に訪れました。博物学者である南方熊楠にハマっていて、彼が研究していた熊野の粘菌というものがどういうものか見たくなって。大阪から和歌山と近い感じがしたけれど、行ってみると案外遠くて、一瞬後悔もしかけたけれど、なんとかそこへ行ってみると、鬱蒼とした木立の中に続く山道、さまざまな葉の色、そして周囲を包む荘厳かつ静謐な空気、樹齢何百年の木々にすっかり魅了されてしまいました。世界遺産に登録され、観光客でエラい人混みやと聞くとちょっと二の足を踏んでしまうのですが、いずれまた訪れてあの木々に包まれたいなと思ってるのですが。
でもって富岡製糸場。明治時代に開業した日本初の本格的な器械製糸工場ということで日本のシルク産業への貢献において大変重要な場所だそうで、しかも戦前から「貸さない、売らない、壊さない」というスローガンのもとに大切に保存してきた、今でこそ古いものを見直すことが当たり前になってきているけれど未来を見越してこのスローガンを貫いてきはったのが凄いなぁと思います。
とはいえ製糸場と聞くと、30代以上の人間にとっては『あぁ野麦峠』という映画や社会科などで学んだ『女工哀史』なんて、製糸場で働く女性の過酷な歴史がトラウマになっていたりして頭をよぎるのですが、この製糸場はそういう劣悪な環境ではなくむしろここで働くことがステータスになっていたようです。
そんな製糸場のある富岡市を盛り上げるためにキャラクターももちろんいました。
お富ちゃん・・・個性百花繚乱の着ぐるみ界において、正直地味・・・ですが、べっぴんさんキャラクターなら上位にランキングするはず。製糸場で働く女工さんをイメージしたのかな。凛とした感じが好感を持ちます。そんな彼女だけでは弱いなと思ったのか、やっぱり蚕関係のキャラクターもいました。シルキーという蚕の成虫をもとにしたキャラクターですが、いわゆる蛾ですね。あと、ヘリテイジ仮面という富岡製糸場を悪の組織から守るために生まれた正義のヒーローも・・・。
個人的には蚕そのもののキャラを作ってほしいなぁと思いますが、どうせなら吉本の美容番長・シルクさん自身をキャラクターにしてもいいんじゃないでしょうか。着ぐるみキャラも年齢不詳多いし。